
1. 「髪が傷んだ気がする…」それは本当のダメージ?
ヘアカラーをしてから、「髪がパサつくようになった」「手触りが変わった気がする」と感じたことはありませんか?
ですが、それがすぐに“深刻なダメージ”とは限らないのが髪の難しいところです。
髪は繊細な繊維の集まり。
日々の生活や施術の積み重ねで変化していくもの。
今回は、美容師としての視点から「髪の傷み」とはどこからが問題なのか、どんなケアが必要なのかを丁寧に解説していきます*
2. 髪はどうして傷むの?ダメージの仕組み

髪の毛は外側から「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」という三層構造でできています。
ヘアカラーはこの構造の中でも、特にキューティクルを開き、内部の色素を脱色・再染色することで色を変える仕組みです。
このとき、アルカリ剤や過酸化水素などの薬剤がキューティクルを開き、場合によっては内部のタンパク質を壊してしまうことがあります。これが「髪の傷み」の始まりです。
3. 「傷んでいる髪」のサインとは?

以下のようなサインがあると、髪はすでにダメージを受けている状態かもしれません。
- 乾いているのにツヤが出にくい
- 指通りが引っかかる
- 切れ毛や枝毛が増えてきた
- 濡れたときにゴムのように伸びる
ただ、これらは髪の質やスタイルにもよるため、必ずしも深刻な状態とは限りません。重要なのは、どの程度ダメージが進行しているかを見極めて、早めに適切なケアをすることです。
4. カラーの種類によってダメージは違う?
ヘアカラーといっても、その種類によって髪への負担は異なります。
カラーの種類 | 髪質への評価 | 特徴とダメージの傾向 | 主な成分・薬剤 |
---|---|---|---|
ブリーチ | ★☆☆☆☆ | 髪のメラニン色素を強力に分解・脱色。毛髪内部の構造を壊しやすく、最もダメージが大きい | 過硫酸アンモニウム、アンモニア、水酸化ナトリウム |
ファッションカラー | ★☆☆☆☆ | 脱色と染色を同時に行う。ブリーチほどではないが内部ダメージは強め | アルカリ剤(アンモニア)、酸化染料、過酸化水素 |
白髪染め(アルカリ) | ★★☆☆☆ | 頻度が多くなりがちで、蓄積ダメージに注意。カバー力は高い | ジアミン系酸化染料、アルカリ剤、過酸化水素 |
マニキュア | ★★★★☆ | 髪表面に色をのせるタイプで内部に浸透しない。ダメージは最小限 | 塩基性染料、HC染料(非酸化タイプ) |
サロンカラー (オーガニックカラー) | ★★★★☆ | 天然由来成分を使用し、刺激や負担を軽減。色持ちは控えめ | 植物エキス、低アルカリ剤、ノンジアミン染料 |
ホームカラー | ★☆☆☆☆ | 成分が強めでダメージコントロールが難しい。重ね塗りや塗布ムラのリスクも高い | アルカリ剤、酸化染料、過酸化水素 |
とくにホームカラーは自己判断で繰り返してしまいがちですが、髪に必要以上の負荷をかけてしまうことがあるため注意が必要です。
5. 髪は「治る」のではなく、「補修する」

傷んだ髪は、肌と違って自然に治ることはありません。
なぜなら、頭皮の奥にある毛母細胞からケラチンタンパク質で構成された「髪」は産出された段階で、細胞としての機能を失っているからです。そのため「治癒する」という概念を持たないのが、私たちの「髪の毛」の特徴です。
ですが、適切な補修をすることは可能です。
また、補修によって手触りやツヤ感はかなり改善されます。
そのためには、まず髪の内部にできた空洞を、ケラチンやCMC(細胞間脂質)などの成分で補い、表面を保護してあげることが大切です。とくにカラー直後は、内部のタンパク質バランスが崩れて空洞化しやすいため、1〜2週間以内の集中ケアがおすすめ ✂︎

6. quailの考える「ダメージとの向き合い方」
quailでは、カラーによる【 負担 】をなるべく減らすことを最優先に考えています。
髪の状態を見極めながら、最小限の薬剤量と、内部補修が同時にできる成分を取り入れた施術を行っています。
また、カラーと相性のよいMadena(マデナ)髪質改善もご用意しています。
これは、髪内部に不足したケラチンやアミノ酸を再構築することで、カラーによる空洞を補い、扱いやすさと自然なツヤを取り戻すケアです。
7. まとめ
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「髪の傷み」とは、ただ見た目の変化だけでなく、内部の構造がどれだけ崩れているかに関係しています。
カラーを楽しみながらも髪を大切にしていくために、今の髪の状態を正しく知り、必要なケアを選ぶことが大切です。
あなたの髪が少しでも長く、あなたらしく輝けるように。
ヘアカラー、ダメージケアのご相談は、前橋美容室quailまでお気軽に🌱